お店の名前について ~prologue~

「ノルマがあるのです。少しでいいので、注文してください。」

山口県のおいしいお菓子といえば外郎(ういろう)ですが
とある外郎屋で配送の仕事をしているオカダさんという青年が
季節毎に「きせつのおかし」の予約注文書を持ってやってきます。

秋は「栗三笠」だということです。

いつも、何個か買います。

「注文数量と、名前を書いてください」
と紙を渡されるのです。

前回は名前の欄に「にゃんたろうず」と書きました。
今回は個人名で書きました。

「あ、今回は個人名なんですね!
このまえ、にゃんたろうずって書いてあったじゃないですか。
疑われましたよ。へへへへh。」

疑われた?

「にゃんたろうず」の、何がどう疑われたのですか?


「主任がですね、

『にゃんたろうず?
オカダくん行きつけのアダルトショップか?』

といってましたよ。はっはっは。」

ひとの
ひとのお店の
大切な
大切な名前を
こけにしやがって
この
腐った、ういろいう屋の、ちりめんじゃこめが!

감히 누구한테 함부로 입을 놀려!

プチトマトを包丁で切るときにも「ごめんね~」と謝るような清らかな心をもっている私としたことが、失礼しました。

(本多屋さんはあまり添加物もはいっておらず、おいしいです。どうぞ、山口にお越しの際のお土産には、本多屋さんのういろうをごひいきにお願いします。
と、オカダ君のために宣伝しましたが、じつは私は三堀堂の外郎のほうがすきだということを公言しておく。ばかたれが。)

「にゃんたろうずというお店の由
来は何ですか?」
と、聞かれることがあります。

それは、幾重にも絡まった物語があり
それは、ほとんど神話のようになっており、自分でも整理ができていませんので、いまはお話しできません。

ただ、ふたつ、事実として言えることは、

もし、この名前のせいで
名前がわかりにくいせいで
お店が繁盛しなかったとしても
それはそれで仕方がない
この名前とともに生じた結果なら、すべては本望である。
と覚悟していたほどに、この名前に思い入れがあるということ。

そして、もうひとつは、開店して3年目になりますが
お店に電話がかかってきたときに、
「はい!にゃんたろうずです!」
と、照れずに言えるようになったのは、ごく最近のことである
ようするに、なんか恥ずかしい、と思っているということ。

一心同体のように愛着がありながら
そこはかとなく恥ずかしくもある。

こんな書き方をすると
だれかに「なぞかけ」をつくられてしまいそうです。

にゃんたろうずのなまえとかけまして~

コチュと解きます

その心は~

「一心同体のように愛着がありながら
そこはかとなく恥ずかしくもある」

ありがとうございました。

cochu

韓国語小説 ぼくのコチュは天然記念物 (パク・サンニュル 著)
내 고추는 천연 기념물(박상률)

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