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百三十一粒目『わたくしの中のふたりのこびと』

あなたの中にも、ふたりのこびとがいませんか?

わたくしは最近、スーパーマーケットに今夜のごはんの買い物に出かけるたびに、
ふたりのこびとが猛烈にけんかをするので参っています。

ひとり目のこびとは
「おしいしい食事の楽しみ」
略して「おいちぷ」という名前の小人である。

このこびとはとにかく、おいしいものを食べたい、
おいしいことこそ正義、という小人である。

そしてもうひとりのこびとは
「健康で丈夫な体をつくる食事」
略して「がんじょうぶ」という名のこびとである。

このこびとは、味なんか関係ない
むしろ、おいしいとかいうのは、麻薬的な悪の感覚である。
とにかく健康で丈夫な体をつくり、維持することだけを目的に、食べものを摂取しよう、という小人である。

ここで、
「略してないやんけ!こびとのなまえ!」
という突っ込みは無用である。

とにかく
「おいちぷ」と「がんじょうぶ」
のふたりのこびとが、私の中で激しく争うわけである。

きょうはまず「おいちぷ」が、

「おお、牛肉が4割引きだ!あれを甘辛く煮て、牛丼にしようぜ!
ダシダをいれたら牛丼やの味になる。おいしいぞ~。
キムチを載せましょう、キムチ牛丼だ!」

そしたら「がんじょうぶ」がとたんに「おいちぷ」につかみかかり、
ストーン!と一本背負いでアルクの床に投げつけて、
「おいちぷ」は、びたーんと、床にのびて「ぴえん」と鳴いた。

「あほかっ!肉は体に悪い可能性があるじゃろが!特に昨日、ワシは貴様に負けて、宿主は味の素の冷凍餃子を1パックぜんぶ食ってしまったけえの!今日の晩めしは、肉なし、小麦粉なし、植物油なし、でいかせてもらうからなっ!しかも、今日のお昼には、ういろうをくわせただろ?おいちぷよ、おまえは下がっとれ。もうこれ以上、宿主の体をいためんといてくれ!」

「いやーーーー。そうは言うても、おいしい、ということ自体が薬になるんやでー。体がリラックスできる。食の楽しみこそが人生の醍醐味の大部分やないかー。まあ、最近、宿主は疲れやすいから、がんじょうぶのいうことをなるべく聞くけれども、ほんでも、野菜とか豆腐とか海藻とかきのこばっかり食われへんで―。いきなり食生活をがらっと変えるのでなしにやね、徐々にやっていきまひょ。鶏むね肉はいかがでっか?」

「だめやっ!味なんかどうでもええんじゃっ!一刻も早く、丈夫で疲れにくい体にして、宿主を助けてあげる必要がありますねん。きょうは納豆と豆腐とかいわれと玄米と、ギリたまごはOK、それからそれから、野菜、野菜」

「そんなに野菜食われへんわー。野菜にするとしても、おいしく調理してや―。でも、できんやろ?むずかしいやろ?めんどいやろ?ほな、せめてフルーツにしまひょ。ほらみて、フルーツ盛りが50%OFFや。これできまり。ここは譲られへんで!」

「ふむ。よしわかった。果物は糖質が気になるところじゃが、果物ばっかり食うて生きてる人間がめっちゃ健康でおるいう話もあることやし、フルーツ盛り、これはありじゃ。買お。いったん。」

「おお、みて!ハーゲンダッツの新しいのでてるやんっ!これ買おや!」

「あかんっ!砂糖はあかん!ギリギリ妥協してスイーツ類は、1週間に一度、一口だけじゃ!虫歯になったら目も当てられんことになるど!」

「うぐぐぐ。絶対おいしいのに~。まちがいないのに~。あ!みて!日清焼きそば5袋が300円台さらにクーポンで100円OFFや!これは超お買い得や!」

「あかん!!!!それこそただの麻薬じゃ!!!揚げた小麦粉と添加物じゃ!!!体に何もええことあらへん!おいちぷよ、おまえはホンマにあほじゃな。おいしい食べ物と、丈夫な体をつくる食べものは別ものなんじゃ。おいしいからって、健康を害してもええのか。やめてあげて。宿主、今の健康状態では、疲れやすくて、大邱に会社をつくられんことになるでえ!!」

「いやーーー。でもおいしいもんは、おいしいやんかー。焼きそばうまいでえ。栄養いうんやったら、野菜たっぷり入れたらええやんかー。」

「あかん!焼きそばはうんこじゃ!うんこにきれいな野菜入れてもうんこが勝つじゃろ!」

「ていうか、野菜がそんなに体にええんか?肉くわな栄養失調になるんちゃうんか?」

「肉がだめとは言うとらん!きのう、味の素の冷凍餃子12個ぜんぶくうたじゃないか!それが、ワイにとってはもうアウトじゃ。解毒せにゃならん。今日はうまさを求めない日じゃ。丈夫な体をつくるテーマで、食べるものを決めさせてもらいます」

「じゃあ今日のところはわかったわ。」

「明日からもや!宿主に丈夫な体をつくってあげないけんのじゃ!」

「ほんでも食いもんまずかったら、逆に元気出ないんちゃう?」

「おいちぷよ、おまえもわかっちょるじゃろうが、今は、宿主は健康な体が欲しい時期なんじゃ。今はオレ優位なんじゃ。おまえはしずかにしとけ。わかったな!」

「むむむ。宿主がそれを望んでいるならそれでいいけど。。。。しかし、うまいもん食べたいよなあ。」

そう。宿主ことワイはいま、テグに行って会社をつくろうとしているのだから、
まずは体を頑丈にし体力をつけるする必要を感じており、虫歯になるなんてもってのほかなのである。

だから、今、私のなかのこびとのうち、がんじょうぶが俄然、優位な状態であり、がんじょうぶ、頑張れ、がんじょうぶ、頑張れ、と、必死に私は応援しているのだが、
おいしいものを食べたい、という欲求はどこからともなくわいてくるもので、おいちぷが、しゃしゃり出てきて、キーキーと騒ぐのを、抑えきれないでいるのである。

からだを丈夫にして、なおかつおいしいものを。

おいちぷとがんじょうぶがともに仲よく納得できるお食事を。

これを追及するのが今のテーマである。




1件のコメント

  • おいちぷとがんじょうぶ
    なんだか声に出したい名前でかわいいですね
    私のとこにはおいちぷしかいませんが、そのうちがんじょうぶが現れるのでしょうか。
    ところでおいちぷってチタタㇷ゚みたいですね。

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