あのな、ようちえんでな、せんせいが、
「明日は、水をぴゅーって飛ばすあそびをするから、
みんな、おうちから、マヨネーズとかの、空の容器をもってきてください。
ふたには、小さな穴をあけて、もってきてくださいねー」
というときが、年に2回ぐらい、あったんや。
ほんで、ガキどもはそれぞれの家庭から、
マヨネーズとかケチャップとかの、からの容器をもってくるんや。
ふたのところに小さな穴をあけておいて、
容器に水を入れて、みんなで運動場に並んで、
「それー」
という掛け声とともに、
ぴゅーーーーーーって、
水を飛ばすんや。
そんな、お遊びの時間があったんや。
ほんでな、話はかわって、わい、近所のゆっくんと、
毎日のように遊んでいたんやな。
いたずらをいっぱいしてたんやけどな。
ほんで、二人でよく楽しんでいた遊びの中に、
「しっことばし」
があったんや。
ようするに、ブロック塀の上とか、滑り台の上とか、
天神山の岩の上とか、高いところに登って、
ふたりで並んで、どっちがおしっこを遠く飛ばすか、競うんや。
それで、ゆっくんは2つ年上だけど、
ワイと背格好は同じぐらいで、
ワイのほうがちょっと体が大きいぐらいやったから、
いつもワイが勝ったんや。
しっこ飛ばしでは、ワイはゆっくんに負け知らずや。
ゆっくんは一生懸命なかおで、しっこをするんやけど、
いつもワイにはかなわないのや。
いつもすごい悔しそうな顔をしていた。
ワイは毎回、当然のように勝利して、得意満面やった。
そして、ワイは、大きなこえで、勝利の歌を歌うんや。
♪しっことばしの名人は
♪しっこしっことさけんでる
♪しっこしっこー!
さて、話はもどって、ようちえんの、マヨネーズ容器のみずでっぽうの話なんやけど、
あのな、うちのおかあさんたらな、
「マヨネーズは、まだようけ入っちょるっ」
とかいってな、いつもいつもな、
シャンプーの空き容器を持たせるんやな。
なんか、紫色の、プラスチックの、固い奴や。
ワイ、空のシャンプーの容器をいつも持って行ってた。
それでな、みんな、ほぼ全員、みんなやで、
マヨネーズの容器か、ケチャップの容器やねん。
それらの容器は、とてもやわらかいやろ?
だから、水が、ぴゅーーーーーーーーってとぶねん。
でも、ワイだけ、ワイだけやで。
かったいかったい、シャンプーの容器やねん。
水、ちょろちょろ~、としか飛ばないねん。
みんなは、大谷のホームランみたいに、
びゅうううーーーーーーん!
て大きく弧を描いて、水を飛ばしているねん。
ワイは、いっしょうけんめい、幼い小さな両手の握力をいっぱいに使って、
ひたいに青筋立てて、かったいかったいシャンプーの容器を握りつぶそうとするんやけど、
ほんまに、ゆっくんのおしっこ以下、ぜんぜん飛距離が出ないねんっ!
ものすごいくやしかったなー。
きっと、ほかのご家庭では、
このために、わざわざ、マヨネーズなりケチャップなりを、
ほかの容器に移し替えて、
水が遠くに飛びやすい容器をわが子のために持たせてたはずなんや。
それじゃなかったら、ワイ以外にも、シャンプーの容器持ってきてる子どもがおったはずやろ!
なんでワイだけシャンプーの容器やねん!
そして、男の子にとって、水が飛ばないのは、屈辱やっ!
ワイ「しっことばしの名人」としてのプライドもあるがなっ!
ゆっくんのきもちがよ~くわかるような気がしたでえええ。
くやしかったなあああ。
ワイもマヨネーズの容器で水を飛ばしたかったなあ。
で、ようちえん卒業前、なんか最後にいちどだけ、
「マヨネーズのにしてくれ。シャンプーのは硬くて水が飛ばんのじゃ。いやじゃ。」
と、半泣きになってお父さんにお願いしたことがあったなあ。
お父さんは笑って、マヨネーズを空にしてくれた。
それで、いちどだけ、
マヨネーズの容器をもっていったことがあったなあ。
うれしかったなあ。
だから世のおかあさん、もし、そういうことがあったら、
ひと手間かけて、マヨネーズを容器に移し替えて、
ちゃんとぴゅうううううって水が飛ぶ容器を
こどもに持たせてあげてほしいなー。
2 件のコメント
わかる、わかるわぁー!
今だに空になったマヨケチャ容器見ると、洗いながら一瞬捨てるの戸惑うもん。何か水鉄砲したくなる🔫気持ちに駆られるのは私だけかなぁ。
そんな迷惑な持ち物勘弁や、、、
わいマヨラーやから1キロのマヨネーズしかないねんで
1キロのマヨネーズ何に移し替えて何処に保存するねん、、、
持ち物持たせるならもっと牛乳パックとかにして欲しいわ、、、
お父さん優しい🎶
最後にマヨネーズ持っていけてよかった🎶
ワイはその日は小さいマヨネーズ買って移すかあ、、、