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百二十四粒目『原因に対処する』

あるがん患者さんがいました。

手術を受けるかどうか迷っていましたが、
あるお医者さんはこう言ったのです。

「病気には原因があります。
治療においては、「結果」に対するのはもちろん、
それ以上に、「原因」に対する治療のほうに取り組まなければなりません。
手術をするしないにかかわらず、
「原因」への対処のほうがより重要なのですよ。」

そして、この患者さんは、
がんになった原因を考えぬいて、
考えられる原因に徹底して対処し続けて
(そこには家族の協力もあった)
がんは退縮していったのです。
この患者さんが手術を受けていないという事実は、
さほど特筆されることでもないのかもしれません。

みなさんも、病気になったり、
体調がわるくなったり、あるでしょうけれど、
そのときに、症状だけでなく、
「原因」のほうに対処すること。

「たいせつなことは目に見えない」

といいますが、症状は目に見えますが
「根っこ」はかくれていて、目に見えにくいです。

もしかしたら、まわりの人は
症状を治すことばかり話すかもしれません。
「根っこ」についてはひとことも触れないかもしれません。

けれど、これを読んでいるあなたは気がついています。
「原因」を治すことが根本の治療だということを。
「原因」を考えて、
「原因」を治しにいきましょう。


さて、病気に限らず、人生のいろんな場面でも同じことが言えそうです。

人間関係のトラブルが起きたとき。
仕事で同じミスを繰り返すとき。
「やる気が出ない」とき。

多くの場合、私たちは目の前の「症状」をなんとかしようとします。
謝って取りつくろったり、気分転換したり、とりあえず場をしのいだり。

けれど、それではまた同じことが繰り返されるでしょう。

「根っこの部分」に向き合うことで、
本当の意味での解決に近づきます。

たとえば
いま、わたくしの目の前の、この机がとっ散らかっていること。
整理整頓ができないこと。

これは、
「毎日、作業の終わりに片付けよう」
「毎朝、10分だけ、整頓の時間をもとう」
とかの対策をしても、解決したことがない。
永遠のごとく、いつも、とっ散らかっているのであるし、
いったん片づけても、秋の落ち葉のように、すぐにとっ散らかる。

これはつまり、症状に対処しようとしているからで、
この「原因」に、もう一歩、踏み込んで考えてみると、

「今こうして、とっ散らかったままの机で、平気で作業できているワイ」

がそもそも問題なのではないか。
ワイの性格の問題ではないのか。

そしたら、
「とっ散らかった机では作業するのは気持ち悪い」
「無理だ、耐えられない!」
というワイをつくることによって、整理整頓は達成できるのではないか。

というわけで早速、無理やりそう思うことにして、
「散らかった机? 気持ち悪い!」
と、机の上を片付けておりますが。。。
うまくいくのだろうか。。。


病気でも、仕事でも、日常生活や人間関係でも。
目に見える「症状」だけでなく、その奥に潜んでいる「原因」に光を当ててみること。

そうすれば、何度も同じことが繰り返されることがなくなり、ずっと確かな変化が訪れるはずやー。

3 件のコメント

  • 間黒男を主治医にしたい人
    返信

    目を覆いたいというか、本当はわかっている原因を直視するのが、向き合うのが怖かったり、億劫だったりするのです、きっと。
    おっしゃる通りですね。
    私も見習って、色んな自分を作り出さねば…
    わたしたちどっちの机が綺麗になるか、競い合いましょう…

  • 片付けとは、一生のテーマです。全てにおいてスリム化するのはかなりのエネルギーが要ります。最近特に痛感しています。

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