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九十七粒目『ちっちゃいじいさん』

毎日、韓国や台湾から、
みなさまに大切にお届けするための、
本やらグッズやらが届くもんで、
からの段ボールが、すぐに、いっぱいたまるんや。

それで、今日はスズキエブリイに積んで、
段ボールを捨てに行ったんや。

そしたら突然えらい雨や。
車の速度を40キロに落として走らな
怖くて走られへんぐらいの雷雨やった。

ほんで、段ボールは業者さんの敷地にもっていったら24時間捨てられるんやけど
野ざらしになるから、さすがにこれ、段ボールが雨で水浸しになるのはどうなんかと思ったから
雨が止むまでの間、ドラッグストアのコスモスに行ったんや。

そして、駐車場で、車を降りたら、
見知らぬ、ちっちゃいじいさんが、だしぬけに話しかけてきたんや。



「えらい雨やなあ。たまらんでなあ」

「そうですねえ」

「いや、わしの家は、すぐ近くで、歩いてきたんやけどな、
突然、すごい雨や。びっしょり、降られてしもうた。
ほれ、みずぶろにはいったみたいになってもーとる。
いや、天気予報を見てな、少しは降るやろ思うとったけど
こんなに降るとは思わんかったなあ」

って、爆裂しゃべるねん。そのちっちゃいじいさん。

ワイ、途中で、

「あ、これやばいひとかも」

と思ったけど、目を見たら、なんか、きらきら純粋な目をしてたわ。

だから、あ、ワイがこんな、「人を見たら泥棒と思え」みたいな気持ちをもってはいかん。
このひと、こんなに、知らない人にも素直に話しかけられるなんて、
貴重な人や。悪い人じゃない。目を見たらわかるもん。

と思ってやな、ワイは終始、にこにこ、温かな目で見てあげて、あいずちを打って話を聞きながら、一緒に歩いてお店に入ったわー。
ほんなら、ちっちゃいじいさんは、さっさとトイレに行かはったわー。

うむ。達人や。
それなりの達人やったなー。
ワイもあんなふうになりたいなあ。

そして、ワイが買い物し終わって、レジに並んで、清算終えたときに、
あのちっちゃい爺さんがレジに並んできて、
レジのご婦人に、
「イヤーものすごい雨やったわー」
いうてものすごいしゃべりかけてて
みたら、レジのご婦人、ものすごい、腰がひけてたわー。

ワイ、やっぱり、あんなふうに誰にでも話しかけて、
なおかつ、相手に「ひいいいい」って腰を引かれることもなく、
相手もなんかいやされるような、気分がよくなるような、
そんな奇跡的な人になりたいもんやわー。
精進するわー。

1件のコメント

  • その日の晩、こちらも運転してました。すごいゲリラ豪雨に雷!スロープのぼるとき雨水がザーッて車に向かって流れてくるのがワイパー越しに見え隠れして、車の🛞が耐えれるんやろかって不安で仕方なかったです。そしたら、隣の左車線からブーンってカッコいい車がまあまあなスピードで追い越して行って更にびっくり!無事目的地着いた時は、すっかり雨あがってた〜!何やったん?あの雨!

    あ、わたし多分おっきいおばちゃんです!

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