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六十八粒目『ようちえん③おしっこ漏らした事件』

ワイ、ようちえんにかよいはじめた。
ワイ、ようちえんではしゃべらんかった。
いや、ぜんぜんしゃべらんかったわけじゃないけど
せんせいとは、かたくなに口を利かんかったな。
だから無口な子や。
引っ込み思案な無口な子や。

ようちえんのガキどものなかには
たまに、おしっこもらす子がおった。
なんでもらすんや。
おしっこなんてがまんしていればでないやろ。
と思った。

それで、おしっこもらした子は、
せんせいに、離れのたてものに連れていかれて、
そこでパンツ履き替えるんやな。
そのときに、ガキどもは、それを見にわらわらとついていくわけや。
たいていのがきなんて、おしりとかおちんちんとかだいすきやから
それみにいくわけや。
同じクラスの○○くんや△△ちゃんのはだか(下半身)を見るのが大好物なんやな。
あーあ。どうぶつやで。知性がないわ、がきどもなんて、なあ。

ほんで、わいもごたぶんにもれず、わらわらとついていくわけや。
何回か、おしっこもらした子が、着替えさせられているシーンを
ほかのガキどもと一緒に、窓からのぞきこんで、みたわー。
ほんで、ガキどもみんな、ああ、ええ見せもんやったなー、おもろいもん見れた―って、満足なんやけど、
毎回見れるわけやなくて、
「これ!ついてきてはいけません!」
と、途中でせんせいに追い返されて、着替えのの様子をみることができないことも多かったんやな。

さて、そんなある日のことや。
教室でなんか、みんなで、ぐるぐる回りながら、おうたを歌っていたんやな。
そのさなか、ワイ、おしっこがしたくなったんや。
ちょっとぐらいは、おしっこしても、パンツに吸収されて、もれない。
そのことをワイはしっていた。
もうちょっと我慢したら、トイレの時間になる。
がまんしよう、とおもったけど、おしっこしたい。
それで、ちょろっと、おしっこをしてみたんや。
ほら、大丈夫や。
もうちょっとしてみよか。
うん。まだ、大丈夫や。
ほな、もうすこし、してみよか。
とやっているうちに、ワイ、加減がわからなくなってしまった。
それで、制御できなくなって、
じょじょじょ~って、
おもいっきり、おしっこしてもうたんや。
あ、しまった!!とびっくりして、ワイ、

「せんせい、おしっこ!」

っていうたんや。
そういいながら、じょじょじょ~って、おしっこしてもーた。
あかんやってもたー、おこられるー。
って思ったんやけど、
じつはワイ、そのときはじめて、ようちえんで、せんせいにむけて、声を発したんやな。
それまで一回もしゃべったことがなかったんや。
それで、せんせいは、

「よう言えたねえ。よう言えた。」

って、感激してる様子やねんな。
あ、なんかおこられてない。ラッキーかも。
ワイのおしっこの掃除をしながら、
よういえた、よういえた、って、くりかえし、くりかえし、いうてるねん。

それでワイは、ズボンとパンツを履き替えるべく、はなれの建物に連れていかれたんや。
そしたら、案の定、ガキどもが、わらわらと、わいのきがえをのぞいてやろうと、
ついてくるわけや。

ワイって、じつは、めっちゃはずかしがりやさんやねん。
家で、おかあさんにも、自分のおちんちんを見られそうになったら、
キャーって言って、かくすぐらい、恥ずかしがり屋やったんや。

だから、着替えるところを、こんなうす汚いガキどもに、絶対見にられたくなかったんや。
でも、せんせいは、

「よう言えたよ。よう言えた。」

と、クララが立ったみたいな感動にひたっているねん。

いや、せんせい、それはええけどやな、あのガキどもに、ついてきてはいけません、って、追い返してくれませんかねー。

でも、その思いむなしく、ワイは離れに連れていかれて、
ズボンを脱がされ、パンツを脱がされた。
窓からのぞき込むガキたちの視線にさらされながら、
パンツをはき替えたんや。
イヤやけど、しょうがないやんか。
なすがままや。

「おお!」
とひとつテンションが上がったのは、幼稚園の着替え用のパンツに、
勇者ライディーンの絵がプリントしてあったんや。
ライディーンいうのは、当時のロボットアニメで、毎週テレビで
♪ラライライ、ライララーイ。ライディーン、ライディーン
ってオープニング曲で始まるやつや。
古代神話の守護神がモチーフでな、なんか、かっこええねん!
親友のゆっくんともども、ワイら、ライディーン推しやったんや。
おお、このパンツをはかしてもらえるんか?ええなあ!ライディーンや!
ワイ、絶対こんなの買ってもらえないからなあ。
真っ白なブリーフ以外、はいたことないもんなあ。
なんか、これはいたら、ぜったい強くなる気がするわ。


パンツのライディーンで、ワイは少し、うれしかったんやが、
さて、着替え終わって、先生に連れられて、お部屋に戻ると、
さあ、ガキどもが、あとからあとから、ワイのほうに来ては
口撃してくるわけや。
今でも覚えてるわー。やつらの表情。口調。

「ひろあきくんのおちんちん、みたからね~」

「ひろあきくんのおしり、みたからね~」

とかなんとかー、にやにやしていいやがるねんっ!
オスガキも、メスガキも、どいつもこいつも!

前にも言うたとおり、ワイ、めちゃめちゃ恥ずかしがり屋さんなんや。
おかあさんにだってちんちん見られるのはいやなんじゃ。
それを、おまえら、このちりめんじゃこどもが。
ほんとうに、ものすごい、生まれて以来、いちばんの屈辱やった。

でも、ここで泣いてはいられないやんか。
ワイは全部無視した。
何にも感じていないように、ふんって、無視してやったで!
だってワイは今、ライディーンのパンツはいてるから、大丈夫や!
くそっ。
くやしいいいいいいい。

さて、その後、だれかがおしっこをもらしたとき
そして着替えに連れていかれるとき、
ワイは、まっさにき猛然とダッシュして
着替えをのぞきにいってやろうとしたんや。
ジョイが散歩に行く時ぐらいの勢いや!
今度はワイが見る番や!じっくり見てやる!そのガキのはだかを!
でも、せんせいが、
「だめですっ!きてはいけません」
それで、それ以来、一回も、ワイはほかのガキの着替えを見ることができなかったんや。
せんせい、なんで、とめるんですか。
わたしはみられたんですよっ。
わたしには見返す権利があるんじゃないでしょうか?

っていうか、
なんでワイのときは見に来るガキどもを止めてくれんかったんやっ!
みられ放題やったやんかっ!
窓に、ガキどもの顔が鈴なりやったでえ!
なにひとつかくされていなかったでえええ!
ストリップ劇場やったでえええ!
「よう言えたね、よう言えたね」
って、そこじゃないやろ~~
ちゃんとしてえええ!!








2 件のコメント

  • そっかぁ〜、恥ずかしがり屋さんやったんやね!ウブやなぁ〜!可愛いなぁ〜!

    小さい頃は、親には恥ずかしいおもたことなかったなぁ。お母さんとお風呂入ると肩まで湯船に浸からされてかず数えるからのぼせるやん。その点、お母さんに比べてお父さんは大雑把やから直立してたら全部洗ってくれるんよ。車の洗車みたいに。いや、もっとスピーディーに。それが楽でいっつもお父さんと入ってたような記憶があるわ。でも流石に高学年ななると何か入ってはいけないような、皆んなも入ってなさそうな、そんな気がして6年生でうちきりになったなぁ。ちょっぴり寂しかったなぁ。一番嬉しかったんは、お風呂の湯船浸かる時にいっぱい溢れるやん。あれがプールみたいでワクワクしたなぁ。あと、細長いからだ洗う用のタオルの石鹸を落としてから、湯船に空気入れながらタオルの風船作るのも楽しかったなぁ。空気が抜けてしまうんやけど、わざとクシャって空気つぶしたりするのも何であんなに楽しかったんかなぁ。お父さんはわたしのしたいこと全部叶えてくれるスーパーマンなんよ。親孝行全然出来てないな。出来のわるい娘で申し訳ないけど、いろいろ頑張るわ〜!

    幼稚園では、おもらししたことなかったけど。小学生の時に、もっとスゴいのしたことはあるよ〜。ひろちゃん、どんまい!

  • メールで読んで、ブログで読んだで

    メールさすがに今までで1番途中でぶった切れてましたわ。

    ちりめんじゃこのガキどもと言いつつ、ワイもついて行くんかいっ!(鋭いツッコミ)

    ワイも知性のないガキどもの一員やったから、スカート捲りをしまくってたことだけは覚えてるわ、あとはなんとかごっことかやな。

    ガキだらけと思ったら、平和で可愛いなあ。これが許されるのは5歳までやで。小学生はもうドン引きや!

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