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十五粒目『ジョイのこと③』

こいぬのジョイとワイは「相撲」をして遊んだ。
ジョイは「相撲」が好きやった。
じゃれて向かってくるのをワイはうけとめて
ひょいっと横に投げる。
そしたらまたジョイはじゃれて向かってくるんやな。
そんなことをキャッキャ言いながらくりかえしていると
そのうちジョイは興奮してきて
最後は結構マジで噛んできて
「あいたたたた!」
ってなって、やめなさい、といってだきしめて、
落ち着かせて、終わるんやけど。

そんなことを毎日、繰り返しているうちに、
やっぱりジョイがちょっとずつ、オ?つよくなってきてるなー、
っていうのを感じる。
そうすると、
ワイのなんていうんですか、
トレーナー気質みたいなのが出てきまして、
「ジョイを鍛える。もっと強くする」
ということに面白みを感じるようになったんや。

というか、ジョイのほうがやな
「おれ、つよくなる!」
みたいな空気を出してきよるんや。

「おれ、つよくなりてえ。
 もっと、つよくなりてえ。」

みたいな視線を送ってきよるもんやから、
よし、ほな、今日もいっちょ稽古しまひょか。
意識としては、完全に、
遊びではなくて、トレーニングになってたなー。
もうちょっと鍛えたらミッキーに勝てるでー。
とかなんとかいいながら、
毎日毎日
ぶつかりげいこや。

とにかく、ワイはジョイを強くしようと、鍛えた。
ジョイもまるで世界チャンピオンを目指すボクサーみたいに
毎日ひたすらトレーニング?に打ち込んだ。

そうしているうちに、
なんかジョイは筋肉質になっていって、
イメージでいえば、まるで黒人ボクサーみたいな、
引き締まった体つきになっていったんやな。

そして、いつしか体のおおきさも、ミッキーと同じぐらいになって、
ま、ミッキーはもともと小さいんやけど
じゃれあいをしても、ミッキーを圧倒するようになった。

「はっはっは。
 ミッキー、見たか。
 ワイが手塩にかけて育てたジョイを。
 鍛え方が違うんじゃ。
 はっはっは。」

っていう感じで、ワイは親方として、
弟子の成長に満足やった。

さて、こんな、揺るぎない師弟関係もありながらの、
この楽しかった日々、
ワイらの家族と、こいぬからぐんぐん大きくなっていくジョイとの、
蜜月、ハネムーンが、
突如として、終わりを迎えることになるんやな。

そのきっかけとして、何があったのか?
それは、はっきりしてる。

(つづく)

2 件のコメント

  • ジョイかっけ〜

    たまにいる、なんか筋肉盛り上がってる猫みたいな感じかな!?

    楽しい日々が終わりを告げるの!?!?

    またパッパにドナドナされる!?!?

    ドキドキ,,,

  • ジョイ、強くなってカッコいい!

    え〜!離れてしまう?そんな耐えられない事態やん!涙が出てきそう。

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