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四十二粒目『ワイとテグ③』

「ボクサーは生まれながらにしてボクサーなのじゃ」

と老トレーナーがこの世の真理を述べるようにしてつぶやくマンガがあったが、
「ロッケンローラー」というものは生まれながらにして「ロッケンローラー」なのであって、
なりたいからといって、なれるものでもなくて、
そのひとが「ロッケンローラー」な生き方をしているのであれば、
そのひとはどう生きていても、しまいには「ロッケンローラー」になっていたということであろう。しらんけど。

だから、ボクサーなりロッケンローラーなりをやっている人は、
そうなるさだめであったのであるから、
「ああ。なるようになったのだなあ」という目で見ていればよろしい。
スイカの苗からはスイカがなるし、メロンの苗にはメロンがなるし、ピーマンの苗にはピーマンがなるのである。

むかし兄が、
「人生ギャグなやつがおる。そういうやつは生まれながらに人生ギャグや」
といっていた。ようするに何をやってもうまくいかない、カッコつかない人間がいるということで、その言いかたに、馬鹿にしているというか、鼻で笑っている空気が出ていたから、
「人生ギャグにはなりたくないな―」
とワイは思っていたものだ。
しかし大人になって理解してきたが、「人生ギャグ」なひとは、そうなるべくして、ただしく「人生ギャグ」で生きているのであるから、
まわりのたちひとに、
「あいつ人生ギャグやな。ああはなりたくないな。でも、見ているぶんにはおもろいわー。」
と思っていただけるのであれば、それは「勝ち」なのである。

つまり何が言いたいかといえば、ワイがテグにかかわりをもつようになったのも、
何か見えない力に導かれ、そうなるべくしてそうなった、と思われるのである。

であるから、これからワイがさらにロッケンローラー精神を発揮して、テグにさらに深くかかわってゆくとして、その果てに人生ギャグみたいな展開になったとしても、それを皆さまが「あほや。。。」と楽しんでくださるのであれば、ワイの勝ちである。

そんなわけで、いま、ワイは、確実に体力と気力の衰えを感じながら、同じ年のガーシーさんなんかはあと2年働いたらリタイアすると宣言してるのに、ワイはここからがもうひと勝負やー、と、老い木に花の、で、韓国テグに会社を設立してやろうと、虎視眈々と蛮勇を奮い起こしているのである。ひえー。だから、ガーシーさんも、もうちょっとがんばって、60歳になっても、一緒にバリバリ仕事していようぜ。ひえー。

この決意に似た気持ち、逃げられない檻の中に入っていくような気持ち、「現場」にいる気持ちは、ワイが2003年にテグに向かった時の気持ちに似ているのである。
あれがもう二十年以上も昔のことというのが恐ろしい。

けれど、二十数年前とは明らかにちがうことがあって、それは、今回は、後押ししてくれる、心から愛すべきにゃんたろうずのスタッフのみんながいてくれているってことやな。
山口地ビールのなっかんもなんか楽しみにしてくれている。そして、韓国に拠点があれば、にゃんたろうずを利用してくれているお客さんたちに、もっといいサービスができるだろうから、きっと多くの人によいことになるだろうと思えるんやなー。
若さや体力はなくしたけれど、この二十数年のあいだに、得てきたものもいっぱいあるんやなー。

犬も歩けば棒にあたる。
なるようになるもんや。

先のことなどわからない。
行けばわかるさー。

(つづかないかもしれない)

2 件のコメント

  • 韓国にお店出せたら行きたいです!

    体力の衰え、確かに少しずつ感じ始めていますよ、わたしも!若さも失われつつありますが、老いということを考えた時にいつも思い出す方がいます。16年位前に母の知り合いのHさんという方で、97歳で天寿を全うされたのだけれど、何て言うかとても素敵な方でした。ケーキの先生をされていて、趣味の麻雀を仲間としょっちゅうしていたり、お化粧もいつもばっちりでCHANELの香水も微かに漂うオシャレさん。60歳からケーキ作りの学校に通い、生涯現役でお菓子作りの先生をされていました。ご自宅に飾っていたHさんの写真を見た母に「その写真はまだまだ若い時のだもの」と言う。写真のHさんは70歳。これを聞いた時、衝撃だった。年々、若さも衰えも失っていくものだけど、こういう考え方もあるのかって。まだまだひよっこのわたしは可能性の塊かも!そう思わせてくれる人生の先輩との出会いに感謝なのです。私たちはまだまだとてもとても若いのですよ〜。がんばりませう!

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