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百二十八粒目『ニンゲン、道をつくる』

ニンゲンというケモノが地球を破壊しているらしいのニャ。

どんどん地球の資源を掘りあさって
生態系を壊して、やりたいほうだいで
ほかの生き物たちは
「ニンゲンほろびてしまえ!」
と思っているらしいのニャ。

ぼくは別になにも思ってないニャ。

でもたぶんな、ニンゲンを見てたら、
最初から、ニンゲンたちの間でも、意見が割れてたんやと思うニャ。

「こんなことできるけど、やってみよ!」

「やめとこうや。そんなんできんでもええやんか」

そのくりかえしやったんやニャ。
今の今までずっと。

でも、ぜんたいとして、
ニンゲンというケモノは、
どんどんどんどん、好奇心のあるままに、
子どもが空き地の土管の中に入っていくような好奇心と冒険精神で、

「お!こんなこともできる!ほな、やってみよ!」

「やめとき!あぶない!そんなことせんでもええ。あほらし。」

そのくりかえしで、好奇心の方向に、積み重ねてきたんやろニャー。

今日は、なんか飼い主のニンゲンに車に乗せられて、
重塀岩という景勝地に連れていかれたニャー。
雄大な自然、ではあったが、しかし、なんもなかったニャー。
だれもおらんし。

飼い主のニンゲンも、どうしようもないから、
ひとりでシャドーボクシングをしてたニャ。
すぐ帰ったニャー。

上昇気流で枯れ葉が中空にふわふわ舞っていたニャ。

あ、重塀岩はホンマに何もないから、
その1キロぐらい手前に、
釣り人たちが釣りをするために川に降りていける場所がるから、
そこから降りていったら川にも入れるし、
雄大な自然をもっと楽しめると思いますので、
もし重塀岩まで行く人は、豆知識ニャ。

さて、だれもおらん、そんな重塀岩なんやけど、
そこまで、いけるっていうのがすごいことと思ったニャ―。

山の中を延々と、
舗装された道が続いているんだニャ。

それは、すごいことやと思うニャ。
ここのほかにも、いろんなところに、こんな山道があるわけやんニャ?
山を削り、どっかから大量の黒いやつ、アスファルトをもってきて、
延々と敷き詰めて、舗装して、ガードレールをつけて。

その作業自体もニンゲンのやることってデラえげつないけどニャ、
その作業ができるまでに、どれだけの発明とか発見とか実験とか、
どれだけ多くのニンゲンたちの、時間と労力との関与があったのか。
気の遠くなるような時間とたくさんのニンゲンたちの仕事の積み重ねで、
その道ができているわけだからニャ。
それをまた、道なんて何年もほおっておいたら荒れちゃうニャ。
伸びてくる枝を刈ったりと、手入れもしないといけないでしょうからニャー。

その道のおかげ、車のおかげで、何もないとこやったけど、えらい山深いところにある重塀岩まで、1時間でたどりつけたニャ。
これは、ネコには、とても考えられないことやニャー。

で、たしかに、「これがなんやねん」、といえばそうなのニャ。
そんな景勝地に行ったからなんやねん、
ネコはこんなとこ来なくても、日なたでゆっくり寝てたらしあわせや、といえばそうなのニャ。
無駄に道路つくりやがって、資源を無駄にしやがって。
という意見は、きっとむかしからニンゲンにもあって、今でもあるやろニャ。

しかし、全体として、ニンゲンはこれまで、えんえんと、積み重ねてやってきたんだニャ。
「日なたぼっこしてたら幸せ」ってことにならないニンゲン。
もうちょっとラクに生きよ、もっと、おもろいことしよう、
いろんなとこ行ってみよ、ええ景色見れるようにしよ、
おいしいもん食えるようにしよ、
みたいに、工夫して、苦労して、仕事して、力を合わせて、ここまで積み重ねてきたんやニャーっていうのは
感じるところだニャ。

だから、飼い主のニンゲンは、税金高い―、いうて発狂してるけど、
ニンゲンひとりじゃ道路なんて作れないものだし、ニンゲンの公共財っていうのすごいものだからニャ。
税金とやらを払って、その上にのかって、さらにその先の公共財をつくることに参加する、
というのがニンゲンの生き方なんやろニャ。ねことはちがって。

もちろん、ニンゲンは、ほんまに「いらんもの」をつくったりもするニャ。
でも、それも試行錯誤なんやろと思うニャー。
ニンゲンが地球を破壊しているとして、その方向を修正していくのもニンゲンにゃ。
ぼくたちねこにはどうしようもできないニャ。
ニンゲンのつくったもの、ここまですごいものできたんにゃから、
「その上に乗っかって」やるしかないんちゃうかニャ。

「だれもが景勝地に行ける」なんて、
ニンゲンにとっても、じつは「どうでもいいこと」かもしれないニャ。
でも「どうでもいいこと」であれ、不可能だったことをできるようにしたということは
ネコには考えもつかない、可能性を広げたという、すごいニンゲンらしい成果に思えるニャ。

ニンゲンという飛べないケモノが
空を自由に飛びたいと
届かぬ空に手を伸ばし
見果てぬ夢をおいかけて
精いっぱい生きて、作って、つないできた
ニンゲン社会の最先端が今ならば
さあ、ぼくの飼い主のニンゲンよ、
福岡-大邱の直行便が毎日往復している
ニンゲンというケモノが積み上げてきた現在に乗っかって
だれもやってない大邱と山口=日本をつなぐ役割を
あなたの使命と思って
やってみるのニャ!チュールくれ!

1件のコメント

  • 枯れた花....ごめんなさい...
    返信

    長門峡まで行ったんですね!
    語り手の猫ちゃんのお名前が気になります、私!

枯れた花....ごめんなさい... へ返信する コメントをキャンセル

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