記憶があやふやなんやが、
ようちえんで、牛乳が、毎日出ていたような記憶はないんやが、
ある日、お弁当の時間に、牛乳が出たことがあったんやなあ。
ビンの牛乳や。
紙の、まあるい、ふたがついてるやつや。

こんなやつやな。
ほんでな、ワイら、やっぱりこどもやから、このふた、なんか、ええなーと思って、「自分のものや」っておもうがな。
ほんで、だいじに思って、持ってるやんか。
わいは、なんか、「ええもんや」と思って、持っていたんやな。
そしたら、なんか、同じ組のガキが、「あげるわー」いうて、自分のふたを、わいにくれたんや。
なんや、このガキ、気前ええやんけー。と思って、受け取るわな。
さらに、もう一人のガキからもゲットしてやな、
ワイ、3枚の牛乳びんのふたを集めて、リッチな気分で、宝物のようにして手に持って、運動場に出て、鼻歌交じりにふらふらしとったんやな。
そしたら、見覚えのない、さえない顔した男の子が、ワイに近づいてきたんや。
「なあなあ、おねがいがあるんじゃ。そのぎゅうにゅうのふた、おれにくれ」
っていうんや。
ワイは警戒するがな。
なんでおまえにやらなあかんねんっ。
いやじゃ。ぼくのふたじゃ。
そしたらな、その男の子が、
ものすごい真剣な顔になって、
「おれは牛乳のふたを集めよるんじゃ。
おまえ、このふた、よう見てみい。
ここに、小判のマークがあるじゃろう。」
みると、牛乳瓶のふたには、「公正」ってかいた、小判のようなマークがあるんやな。
「このふたを10枚集めて送ったら、小判がもらえるんじゃ。
小判をもらうために、10枚集めんといけんのんじゃ。
じゃから、おまえのふたを、おれに、くれ。の。」
うおおおお!ってワイはおどろいたな。
ほんまか、それ。小判がもらえるんか。
それなら、これ、こいつにやっても、ええなあ。
それで、ワイ、その男の子に、わいの牛乳瓶のふた3枚を、ゆずってあげたんや。
「ありがとうの。じゃあ、いえにかえったら、さっそく、おうぼするけえの。
そして、小判が当たったら、おまえにも、やるけえの。」
といったんや。
ワイは、うんうん、あたったら、くれえのう、というたわ。
それ以来、ずーと、ワイ、小判が当たったのかどうか、きになってるんや。
その男の子は、40年以上たって、きたないおっさんになって、ワイの前に現れて、
「自動車の保険に入ってくれーやー。」
いうてきよったわ。
それより、ワイは小判が当たったかどうか、気になってるんやけどな。
東山口スズキ 防府店のよしすえくんー。
ワイは今でも小判を待ってるで。
2 件のコメント
た、たしかに小判や!
んあー(無い頭で考えている)、私が代わりによしすえに尋ねてあげましょう。
小判は当たったか?と。
よしすえさん、それは無いわぁ!
手ぶらで来たらアカンのちゃう?