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八十一粒目『ようちえん⑨ぎゅうにゅう』

記憶があやふやなんやが、
ようちえんで、牛乳が、毎日出ていたような記憶はないんやが、
ある日、お弁当の時間に、牛乳が出たことがあったんやなあ。

ビンの牛乳や。
紙の、まあるい、ふたがついてるやつや。

【この画像はCOYASHさんというサイトの画像をお借りしました】


こんなやつやな。

ほんでな、ワイら、やっぱりこどもやから、このふた、なんか、ええなーと思って、「自分のものや」っておもうがな。

ほんで、だいじに思って、持ってるやんか。
わいは、なんか、「ええもんや」と思って、持っていたんやな。
そしたら、なんか、同じ組のガキが、「あげるわー」いうて、自分のふたを、わいにくれたんや。

なんや、このガキ、気前ええやんけー。と思って、受け取るわな。

さらに、もう一人のガキからもゲットしてやな、
ワイ、3枚の牛乳びんのふたを集めて、リッチな気分で、宝物のようにして手に持って、運動場に出て、鼻歌交じりにふらふらしとったんやな。

そしたら、見覚えのない、さえない顔した男の子が、ワイに近づいてきたんや。

「なあなあ、おねがいがあるんじゃ。そのぎゅうにゅうのふた、おれにくれ」

っていうんや。
ワイは警戒するがな。
なんでおまえにやらなあかんねんっ。
いやじゃ。ぼくのふたじゃ。

そしたらな、その男の子が、
ものすごい真剣な顔になって、

「おれは牛乳のふたを集めよるんじゃ。
おまえ、このふた、よう見てみい。
ここに、小判のマークがあるじゃろう。」

みると、牛乳瓶のふたには、「公正」ってかいた、小判のようなマークがあるんやな。

「このふたを10枚集めて送ったら、小判がもらえるんじゃ。
小判をもらうために、10枚集めんといけんのんじゃ。
じゃから、おまえのふたを、おれに、くれ。の。」

うおおおお!ってワイはおどろいたな。
ほんまか、それ。小判がもらえるんか。
それなら、これ、こいつにやっても、ええなあ。

それで、ワイ、その男の子に、わいの牛乳瓶のふた3枚を、ゆずってあげたんや。

「ありがとうの。じゃあ、いえにかえったら、さっそく、おうぼするけえの。
そして、小判が当たったら、おまえにも、やるけえの。」

といったんや。

ワイは、うんうん、あたったら、くれえのう、というたわ。

それ以来、ずーと、ワイ、小判が当たったのかどうか、きになってるんや。

その男の子は、40年以上たって、きたないおっさんになって、ワイの前に現れて、
「自動車の保険に入ってくれーやー。」
いうてきよったわ。

それより、ワイは小判が当たったかどうか、気になってるんやけどな。
東山口スズキ 防府店のよしすえくんー。
ワイは今でも小判を待ってるで。

2 件のコメント

  • た、たしかに小判や!

    んあー(無い頭で考えている)、私が代わりによしすえに尋ねてあげましょう。

    小判は当たったか?と。

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