ワイ、ようちえんにかよいはじめた。ワイ、ようちえんではしゃべらんかった。いや、ぜんぜんしゃべらんかったわけじゃないけどせんせいとは、かたくなに口を利かんかったな。だから無口な子や。引っ込み思案な無口な子や。 ようちえんの...
「ちゃんとちっちっちしなさいよ」 というのは幼児のワイにおかあさんが口を酸っぱくして言っていたことやけど、ようするに、おしっこをした後に、ちゃんと、おちんちんをふって、おしっこのしずくを落としなさいよ、ということやねん。...
ワイは楽しく日々を過ごしていたのに、ある日「ようちえん」ということろに入れられてしまった。よくわからないが「ようちえん」の「にゅうえんしき」っていうのにお母さんに連れていかれたのだ。なんか窮屈な服を着せられて! そこには...
さて、退院の当日やったか、前日やったか、病室にボクシング部の監督がやってきた。最後にまたCTで撮ったワイの頭の輪切りの写真をみながら、監督と一緒に、院長先生に退院にあたっての話を聞いた。 「画像でみるかぎり、水はきれいに...
頭に穴をあける手術はなくなったけれど、完治するまで入院生活は続くんや。 頭痛はずいぶん軽くなった。けれど点滴治療は続けなあかんから点滴のチューブに針で腕をつながれていてベッドから離れて自由に動き回ることができない。 ワイ...
「たまっていた水がほぼ消えていますので。 点滴の治療を継けましょう。」 手術前日の検査で、劇的に症状が好転していると認められて、一転、手術は中止になったんや。 母はよろこんでいたな―。神さまに感謝していたー。それから、ワ...
病院に来た母はなんか小さな簡易ベッドを出してもらって、ワイのいる6人部屋の病室で一緒に寝泊まりしてたわー。 ワイは何日もなにも食べれず、頭痛にうめき声をあげているー。ずっと点滴されたまま、ベッドに横になって過ごしたなー。...
帰りのバスも人が多くてな―。ワイ、あのバスで、座席に座れたんやったかなー。頭痛がひどくて意識がもうろうとしとった。で、バスが走ると、揺れますやんか。その揺れで、どんどん気持ち悪くなってきてな―。アカン、これ、吐く、吐きそ...
これは学荘の話やないけど、途中で学荘が出てくるから、学荘の話として話すわな。 ワイ、ボクシングしてたこと話したやろ?ほんで、試合で、派手にあごをぶち抜かれて、マットにたたきつけられて、タンカで運ばれた話、まえにしましたや...
ワイは学荘の生活がすっかり気に入ってしまった。 ボクシング部にも入って、毎日走って、幸せであった。 ボクシング部で、先輩が、ワイら新入部員に、あれこれ質問する。 「山口県出身か。じゃあ、一人暮らしか。どの辺に住んでるねん...