「実力さっ!」 とマルコメは叫んだんや。こっちを向いて、ガッツポーズを作って。なすびときゅうりから、ぼっこぼこに、蹴られたり、ぶたれたりしながら。「実力さっ!」とさけんでいた。そのときマルコメは泣いていなかった。絶対に、...
ジョイのむくろを庭にのこしてワイは玄関から家に入って食卓のある部屋の戸を開けた。父と母がテレビを見てくつろいでいた。 「ジョイが死んだ。」 と宣言したら、母も父も、とくに母のほうが、 「ええええ??!!!」 とおどろいた...
高校2年生の6月に、修学旅行に行った。数日間、ジョイに会えなくなる。帰ってきたときにジョイが生きてるか心配しながら修学旅行に行った。 帰ってきたらジョイはふつうにしとった。よかった。ワイがおらん間に、ジョイが死んぬなんて...
ある日、ジョイが倒れたんや。いつものようにワイはジョイの鎖をリード(赤と黒の市松模様に編まれた紐やったわ)に付け替えて、門を出ると、一緒に猛ダッシュや!そして、しばらく道を進んでからのことやった。 突然、ジョイの足取りが...
ワイとジョイは散歩にでかけるわけやけど、家を出てから、東西南北、どの方向にも行き先は広がっている。日によって、いろんなコースを歩くんやー。 そのなかで、南のほうに向かうコース、小学校の方面に行く散歩道がある。家を出て、小...
「長年の謎が解ける瞬間」というのがあるよなー。 記憶の片隅のどこかに置き忘れている「あれはなんやったんやろー」という謎が何かのはずみで 「はっ!そーゆーことだったのか!」 と、とつぜん氷解する。ふしぎやなー。 ワイらが子...
その日は雪が積もったんやー。 瀬戸内側の気候は温暖なもんで、雪が積もることはあまりないんやけど、その日は珍しく10センチ以上積もったー。 雪国の人は、雪なんてうんざりなんやろうけど、ワイら雪が積もるのが珍しい地域のこども...
ワイは中学校を卒業して、高校生になって、登校するとき、下校するとき、毎日、かならずジョイをなでなでして、ハグするのであった。なかよしやから。ワイら。の~~~。ジョ~~イ~~。 そうなるとジョイと触れ合う回数が多くなり、学...
《はじめに》このエピソードは昭和の時代のお話や―。そして地方の田舎のまちでのお話や―。その世界の風景には、のら犬たちがふつうにおった。ですから、その時代背景を念頭によんでおくんなはれやー。ワイは現在ではぜったいにリードを...
さてジョイとワイは雪解けの日からけっこう長い時間、夜の散歩をすることになったんや。ジョイもきっと「ええなー。」と喜んでいたことと思うがワイにとっても、夜に散歩をすることがだんだんと楽しみになってきた。 ジョイが「相撲」が...