高校の同級生につるちゃんていう子がおったんじゃ。べつになまえに「つる」がついているわけではなくてなんでつるちゃんといわれてたのかわからんのやが。あんまり目立たんひとですらりとした子やったんやけど走るのがめっぽう早くて帰宅...
ものっすごい、こわい顔の男がおったんや。そいつが顔を出すだけで場がピリつくんや。たかはしくんっていうんやけどな。も、4歳までの子どもなら、たかはしくんをみたら泣きださない子はおらんのやな。ほんでたかはしくんはケンカをした...
「わりゃこのくそボケのどカスが!貴様なんかしんでまえ!ぶちころすぞタコが!」 とケメコはハンドルをにぎった両手に力を込めてさけび散らかした。 モカブラウンのスズキラパンの運転席にケメコは一人であったが、後ろからものすごい...
ポメ子は永遠の乙女で職場の同期のたかはしくんがでっかい白いバラの花束をもってきてプロポーズされて結婚して二人の女の子をさずかってある日こどもたちをつれて水族館にでかけてその帰り道に屋台があって今川焼きを売っていて「あれた...
一匹目のねこは白ねこ二匹目のねこは黒ねこ三匹目のねこはトラねこである。 さて、 一匹目のねこが 「このよのなかは、『勝ち組』と『負け組』にわかれているそうだ。 『勝ち組』に入ればどんどん『勝ち組』になってゆき 『負け組』...
「あんた、ちょっと聞いてくれるかね。いままで、だれにも話したことがない話なんじゃが。」 と病院のベッドでばあさんがいった。ばあさんは俳句を詠むひとであったが、子どもがなかった。 ワイは、ばあさんの姉妹の孫、続柄でいえば大...
でこみはみなしごでというか、故郷をすててとおい町から家出してきてさむい夜みちにたおれていたところをパン屋のダニエルさんにひろわれた。 ダニエルさんはでこみをあたたかい家につれていってくれてあたたかいスープを飲ませてくれた...
ある町に古い本屋さんがあって、一匹ののらネコが住みついていた。 名前は「カトリーヌ」。これは店主の男がつけたんや。 白いネコで、毛が長くて、のらねこながら、なんとも優雅なオーラをまとっていたんやな。店主の男は、このネコを...
ある晴れた午後のことである。 ぼくが道を歩いていたら牛乳石鹸のような顔をしたおんなが歩いてきて、すれ違いざまに、 「わたしは、たわしですか?」 と云った。 ぼくは、びっくりしてしまって、いや、たわしではない。と云おうとし...
むかし「あかりちゃん」というアイドルがおってな。 みかん色のジャンパーを着て「みかんはなぜいたい?」というヒット曲を歌う姿が、当時テレビでよく流れとったもんや。 ワイは中学生ぐらいやったかな。ひそかに、あかりちゃんのファ...









