百三十六粒目『橋ができたら役目は終わるかも』

「架け橋となる」っていうけどなー。
橋ができたら、ワイらのこの役割は終わるかもなー。

今は橋がかかってないからなー。
だから、ワイらが川を渡って、時には急流の川を渡って、
商品を運んで、お届けすることに、価値が生まれているんやな。

川を渡るのは、面倒で、危険もあるかもしれない。
でも、だからこそ、役に立つ仕事になるのであって、
たいせつな商品を、なるべくきれいな状態でおとどけするのが、ワイらの仕事や。

よっしゃ、そんなら、もっとガンガン、川を渡って、
お客さんの欲しいものを、もっとたくさん、スムーズにお届けできるようにしたろ。
ということで、これから自分たちの船をつくる＝大邱に会社を作ろうとしているんやなー。

いまはまだ、国境という大きな川が流れてるからなー。
川のせいで、ものが自由に行き来できてない。
船をつくったら、きっと役にたつやろ。

いつか、この大きな川がなくなるとき、
大きな橋が架かって、人も物も自由に往来できるようになったとき、
ワイらのつくる船の果たせる役目は、ぐっと目減りするやろな。

けれど、ワイらはそれを望んでもいるでー。

そしたら、
ワイらはまたほかの、
役にたつ仕事をさがすんやー。

それか、のんびり日向ぼっこして暮らせんかな―。

■今日の庭掃除
BEFORE

AFTER