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百五十二粒目『まゆ先輩との再会④テグ1998年6月~シルバー紳士と食事』

シルバー紳士さんと近くの韓国食堂にいってお食事したわー。
たしか、テジカルビみたいなもんを食べた気がするわー。
机に並べられるキムチやらのおかずのお皿を目にして

「韓国ではこれ、みんな、おかわりもできて、ただなんだねえ。いよねえ。」

と、シルバー紳士さんはにこにこしていた。

シルバー紳士さんは大阪に本社のある某商社につとめあげて数年前に定年退職。
それからは趣味でいろんなところを旅行しているって言うてたわー。
こうして旅先でたまに日本人に出会っては、交流できるのも楽しみのひとつやというて、
どこぞの旅先で出会った若い女の子とは今でも手紙をやりとりしているのだとうれしそうにしていた。
まー旅先で出会ったもの同士、しがらみのない関係値やで、話すのも聞くのも気が楽や。
「異国の地で同胞に出会った」みたいなうれしさもあって、たのしくお話が弾んだなー。

そして、たらふくたべて、ちょっとお酒類ものんだりして、さいごに紙の切れ端に住所を書いて交換して、お会計はシルバー紳士さんが「ここはぼくが」といって払ってくれて、ありがたくごちそうになったんやけど、
しめて、2万2千ウォンなり。

「やすいねえ!」

といって、シルバー紳士さんはよろこんではったわー。

そのころは日本の年金システムが最大限にうまく機能していた時期といってええんやろか。シルバー紳士さんは、退職後は悠々自適に、かどうかはほんまのところは知らんけど、そうやって旅行してはったみたいやわー。

ワイらの世代はこれから定年すぎたかて年金はあてにでけへんみたいやけど、でも、なにかが悪くなれば何かがよくなるもんやろー。古今東西、ワイら平民はまえをむいていっしょうけんめい生きていくもんや。まわりにご迷惑かけんように老いさらばえていきたいもんやけど、そのまえにもうひとふんばり、全世界のへいわと全人類のこうふくぞうしんのために、ワイにできうるかぎりの役割を果たしていきたいもんやわー。

さて、シルバー紳士さんのつとめていた大阪の商社っていうのは、ワイが所属していたボクシング部にも細い“閥”があった会社で、毎年、部の卒業生が何人か採用されていたようであった。入社が内定したいっこ上の先輩から、「興味があったら相談してや。引っ張ってあげるわ~」とひとこと言われたことがあるから、でももし実際に入社試験をうけていたとしてボロが出て不採用になること必定やったと思うけど、まったく縁がないわけでもなかったから、世のなか、なんかつながっているもんやなって、思ったわー。

そしてその夜はオンス旅館で寝て、翌日、ついに、嶺南大学のミン先生と待ち合わせて会う、という運びになったんやー。

(つづく)

1件のコメント

  • 友達と韓国で待ち合わせする約束をしている人
    返信

    シルバー紳士さんも素敵な人やあ!
    旅先で出会った人と住所だけ交換して、日本に帰ったら文通をする約束をする。
    素敵やあ!
    私の世界には無かった!
    いいなあ韓国。行きたいなあ。

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